立宗会の挨拶令和4年4月28日(木) 本日は769年前の建長5年(1253年)4月28日に御本仏・宗祖日蓮大聖人様が広く世間に向かって「南無妙法蓮華経」のお題目を唱え出された記念すべき「立宗会」(宗旨建立)の日であります。 これは言わば仏様の初転法輪と言えましょう。 お釈迦様の場合は30歳で悟りを開いて、まず21日間、華蔵世界というこの世ではないような天界で高位の菩薩達を相手に法を説きますが、実際はその後、父浄飯王に使わされた同行の5人の修行仲間に対して説いた阿含経が実際的な初転法輪と言えるでしょう。 しかし、いずれにせよこれらは方便を含んだ、お釈迦様の本心ではない随他意の教えであって真実そのものではありません。 一方、日蓮大聖人は立教開宗の時から、仏法の精髄である「南無妙法蓮華経」を唱えられ、不純物の混じっていない仏法そのものを最初から弘められたのです。 ですから大聖人様は少しの不純物の混入も許さない事を重要視されたのです。 今回、北海道の方で観光船が沈んで多くの人命が失われましたが、大聖人様は『阿仏房尼御前御返事』に次のように仰せです。 「此の度大願を立て、後生を願はせ給へ。少しも謗法不信のとが候はゞ、無間大城疑ひなかるべし。譬へば海上を船にのるに、船をろそかにあらざれども、あか入りぬれば、必ず船中の人々一時に死するなり。なはて堅固なれども、蟻の穴あれば必ず終に湛へたる水のたまらざるが如し。謗法不信のあかをとり、信心のなはてをかたむべきなり」 (阿仏房尼御前御返事・九〇六) (今こそ信心に退転無く来世に良いところへ生まれ変われるようにと決意すべきです。少しでも南無妙法蓮華経の信心に不信、「本当に御利益があるのかなぁ」などと疑ってはいけません。そんなことでは地獄行きですよ。例えば船で海に乗り出すのに、たとえ船は見かけ上立派であったとしても、浸水してきたならばすぐに沈んで乗ってる人は死んでしまいます。田んぼの土手は固く作ったとしても、小さな蟻ほどの穴を放置して居たら結局そこから土手は決壊し田んぼは台無しになってしまいます。謗法という浸水を防ぎ、信心の土手を固く作って行きなさい、という意味です) 御当代・日如上人は仰いました。少しの謗法、なんてないのです。謗法は謗法なのだ、と。 この謗法を放っておくと、船底に穴が空いた船のように、多くの乗員を道連れに無間地獄に沈んでしまうのです。 ですから、本日、立宗会に当たり、破邪顕正・謗法厳誡の大聖人の教えを改めて銘記し、自行化他の信心活動に励んで参りましょう。
立宗会の挨拶

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