涅槃経三十三に云はく「爾の時に城中に一の尼乾有り。名を苦得と曰ふ。乃至善星、苦得に問ふ。答へて曰く、我食吐鬼の身を得。善星諦かに聞け。乃至爾の時に善星即ち我が所に還って是くの如き言を作す、世尊、苦得尼乾は命終の後に三十三天に生ぜんと。乃至爾の時に如来即ち迦葉と善星の所に往きたまふ。善星比丘遥かに我来たるを見、見已はって即ち悪邪の心を生ず。悪心を以ての故に生身に陥ち入って阿鼻地獄に堕す」已上。  善星比丘は仏の菩薩たりし時の子なり。仏に随ひ奉り出家して十二部経を受け、欲界の煩悩を壊りて四禅定を獲得せり。然りと雖も悪知識たる苦得外道に値ひ、仏法の正義を信ぜざるに依って出家の受戒・十二部経の功徳を失ひ、生身に阿鼻地獄に堕す。 (守護国家論[148|http://honshubou.main.jp/gosho/0148.htm]) [善星比丘|http://monnbutuji.la.coocan.jp/dainitirenn/setuwa1/26.htm](聞仏寺HP参照)