仏法説話八つの徳
皆さんこんにちは、お元気ですか。今日は「八つの徳」という話をします。
昔、インドのガンジス河の上流にアーラビーという国がありました。
その国にハッタカという長者がいました。その人は昔、鬼神に食べられそうになった時、釈尊に助けられ命拾いをしたことがあります。
ある日のこと釈尊は弟子達に向かって
「皆はハッタカという長者を知っていますか」
と尋ねました。
「はい知っています。その方はいつも私達修行者を敬い真心の御供養をされる方です。」
と皆は答えました。釈尊はその言葉を聞いて、
「そうです、あのハッタカはとても真面目で正直な信心をしています。その功徳によって彼は七つの徳を備えています。
一つに尊い仏法を清らかな心を持って、正直に信心する事ができる徳です。
ニつに、在家の信徒として守るべき戒（決まりごと）をきちんと守ることができる徳です。
三に彼はいつも謙虚な心を持っており、自分の行動を常に反省し、罪障消滅を願うことのできる徳です。
四つに自分のあやまりを素直に認め、人にそのことを告白することができ、人の話を聞いていくことができる徳です。
五つに法を求める心が常にあり、本をよく読み勉強し、人の話をよく聞いて、豊富な知識を得て、自分を磨くことのできる徳です。
六つには彼は信仰心に動揺がなく、どんなことがあっても退転することがない徳です。
七つに物事の道理を、仏法をもって判断し、その信仰の功徳によって仏の智恵と力を得ることのできる徳です。
修行僧たちよ、ハッタカは素直な信仰心によって以上の徳を備えることができました。どうかあなたたちも正直で素直な信心を心掛け精進しなさい」
と説き聞かせました。修行僧はその話を聞いて、ハッタカに負けないように信心していこうと心に誓いました。
ある日、一人の修行僧がハッタカの家に托鉢行に求てこう言いました。
「先日、釈尊が、あなたはまれに見る素直で正直な信心をしていると言われ、数々のあなたの信心の徳についてお話をされ、私達にあなたに恥じないような信心をして行きなさいと言われましたよ」
と話しました。ハッタカは恥ずかしそうな顔をして、
「そこには在家の人は居ましたか」
と尋ねました。
「いいえ、私たち修行僧だけでしたよ」
と修行僧は答えました。ハッタカは
「ああ、そうですか。よかった。安心しました」
と言いました。修行僧はなんのことなのか言葉の意味をよく理解することができませんでした。
修行僧は托鉢行から帰ってきて、そのことを釈尊に報告しました。
釈尊は笑みを浮かべてうなずき、
「そうですか。それは自分が誉められたことを他の人に知られたくなかったからそう言ったのですね。彼は名誉や地位に執着する気持ちがないのです。在家の人ではめずらしいことです。彼は誉められたいとか、人からこうしてもらいたいとか、あれが欲しいとかという欲心が少ないのですね。彼は欲にとらわれないという徳もあったのですね。ハッタカはまれにみる八つの徳を備えた人なのです」
と教えられました。
修行僧たちはハッタカの純真な信心を心から見習って行こうと決心しました。
皆さん、今日の話でどんなことを思いましたか。
はじめ釈尊はハッタカの徳について七つ話しましたが、あとから一つ加えて八つにしました。
私達もハッタカみたいな信心をすることができるでしょうか。なかなか難しいことですが、八つの徳を現在の信心に当てはめてみましょう。
�＼議召平粥�これは一番大切なことですが、つい自分の都合の悪いことはかくしておきたい気持ちになります。正直ということは良いことも悪いこともありのままと言うことです。自分の心に正直に生きるということは誰にでもできますが、仏様の心に合わせて生きることは難しいことだと思います。我見があったらできません。
��規則を守る心。生きるためにはルールがあります。学校も社会もルール（決められたこと）を守ってはじめて目的が達成されます。信仰もルールを守らないと目的（幸福になること）が達成されません。きまりごと、約束ごとはきちんと守りましょう。自分のしたいような行動だけをしていくと自分も幸せになっていけないし、人にも迷惑をかけて、和をみだすことになります。それは破和合といって、とてもおそろしいことです。
�８�虚に自分を反省する心。これは常にさせていただくという心を持つことです。辛い苦しいことがあってもそれは全部自分に原因があることを知るべきで、この反省の心がないと、つい″してやった″という慢心になり自分も不幸になり、他の人も不幸にしてしまいます。
�た佑力辰鯀把召吠垢�心。これがないと自分にとって都合のいいことは聞くけれど、自分のことを認めてくれない人は嫌いになります。でも、自分の執着心をあらため、誤りを素直にわびる心は幸せになる近道です。ちなみに頑固な心は禅宗などのまちがった宗教による害毒が原因です。特に子供達にとっては両親や先生や、そして住職さんの言われることは良く聞いて行きましょう。
�サ疇擦凌粥Ｊ拔�の好きな人はあまりいないと思います。ゲームのほうが楽しいのです。しかし知らないことを知っていく楽しみはずっとゲームよりも広いし深いということを知ってもらいたいと思います。
�ι�退転の心。これは戒壇の大御本尊様と血脈付法の猊下様が絶対だと信ずることです。絶対とは二つとないことで、この信心以外に罪障消滅し、幸せになる道はないと信じることです。注意しなければいけないことは、直結信仰や我見による信心はまちがいだということです。
��御仏智を信じる心。これはいいことがあっても、悪いことがあっても御本尊様のおはからいだということを信じて、一切のことに感謝をしていく心です。
��欲にとらわれない心。これは欲心には限りがなく、行きつく所は餓鬼道だからです。決して一時の満足で納まりません。
皆さん、ハッ夕カのように正直でを素直な心と信心で大きく成長して下さい。
最終更新時間：2025年05月07日 08時27分02秒