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『戒法門』

p class="goshomei">  善導

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の釈にも仁・義・礼・智・信、地・水・火・風・空の名計りは挙げたりといへども、 其の義理なし。又浄土宗の学者も知ることあたはず。是体に知らずと云ふとも、浄土に生まれなんや。暫く小善成仏と申すは是体に候なり。浄土宗の学者、伝教大師の釈を引けども、末法には持戒の者なしと云ふ釈の意を知らずして、人々を迷はす法門なり。恐るべし恐るべし。
 次に定の法門の事。夫定と申すは多くの定ありといへども、先づ出入の気を知るべし。静かなる処に居して、左の足を右の股にかけ、右の足を左の股にかけ、左右の手を合はせてこぶしをにぎれ。大指をにぎりこめよ。口を合はせて鼻より気を入れ、口より気を出だせ。口の気はあたゝかにかろし。火と風との故なり。鼻の気はおもくつめたし。土と金との故なり。出入の気は諍はずして出だし入れよ。出入の気さはがしくば、我が身に病有りと知るべし。譬へば煙の清濁を見て薪の生乾を知るが如し。
    仁 慈を以て義と為す

春     眼木青酸木の山雨の味酢し。歳星東に出づ。眼の病あり。
    肝 不殺生戒

信 乱れざるを本と為す
夏      舌火赤苦火の山雨の味苦し。熒惑星南に出づ。舌の病あり。
心 不飲酒戒

 智 偽らざるを義と為す
土用      身意土黄甘土の山雨の味甘し。鎮星中に出づ。身の病あり。
 脾 不妄語戒

 義 理を以て義と為す
秋     鼻金白辛金の山雨の味辛し。太白星西に出づ。鼻の病あり。
 肺 不偸盗戒

 礼 敬ふを以て本と為す
冬   耳水黒鹹雪の山雨の味鹹し。辰星北に出ず。耳の病あり。
 腎 不邪淫戒

 木より火生じ、火より土生じ、土より金生じ、金より水生ず。木の敵は金、金の敵は火、火の敵は水、