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『三種教相事』


(★60㌻)
       心法妙   相待妙 絶待妙
 法華の円  衆生法妙  相待妙 絶待妙
       仏法妙   相待妙 絶待妙
 
  玄の二 三十八紙 に云はく「是の両妙を用ひて、上の三法を妙ならしむ。衆生の法に亦二妙を具す。之を称して妙と為す。仏法・心法に亦二妙を具す。之を称して妙と為す」文。籤の二 六十八紙 に云はく「二妙上の三法を妙ならしむとは、三の妙、法華に在りて方めて妙と称するを得ることを明かさんと欲す。故に二妙を須ひて以て三法を妙ならしむ。故に諸味の中に円融有りと雖も全く二妙無し」文。
  華厳の円 仏慧 方等の円 仏慧 般若の円 仏慧 法華の円 仏慧開会
  記の一 本四 に云はく「円実には異ならず、但し未だ開顕せず、初心の人は円・偏を隔つと謂へり」文。籤の一 本二十三 に云はく「故に始終を挙ぐるに意仏慧に在り」文。玄の二 三十四 に云はく「此の妙彼の妙、妙の義殊なることなし。但し方便を帯し、方便を帯せざるを以て異と為るのみ」文。玄の十 四十八 に云はく「初後の仏慧円頓の義斉し」文。文句の五 三紙 に云はく「今の如きは始めの如し。始めの如きは今の如し。二無く異無し」文。 籤の一 本四十七 に云はく「仏の本意は大に在り。故に本を遂げて初めに居す」文。弘の五 上八十八 に云はく「惑者未だ見ず。尚華厳を指す。唯華厳円頓の名を知って、而も彼の部の兼帯の説に昧し。全く法華絶待の意を失ひ妙教独顕の能を貶挫す。迹本二文を験して五時の説を検ふるに円極謬らず。何ぞ須く疑ひを致すべき」文。
      
   爾前の円 一には爾前の円は法華の円と同じ。
        二には爾前の円は別教に摂す。
   法華の円 三には爾前の円は法華の相待妙に同じ。
        四には爾前迹門の円は本門の円に対せば別教に摂す。
  記の一 本四 に云はく「円実には異ならず、但し未だ開顕せず、初心の人は円・偏を隔つと謂へり。
 

平成新編御書 ―60㌻―

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