←次へ  TOPへ↑  前へ→  

『一代聖教大意』


(★83㌻)後
  四教。
  一には三蔵教、二には通教、三には別教、四には円教なり。
  始めに三蔵教とは、阿含経の意なり。此の教の意は六道の外を明かさず。但六道 地・餓・畜・修・人・天 の内の因果の道理を明かす。但し正報は十界を明かすなり。地・餓・畜・修・人・天・声聞・縁覚・菩薩・仏なり。依報が六にて有れば六界と申すなり。此の教の意は六道より外を明かさゞれば、三界より外に浄土と申す生処ありと云はず。又三世に仏は次第次第に出世すとは云へども、横に十方に並べて仏有りとも云はず。三蔵とは一には経蔵 亦定蔵とも云ふ 二には律蔵 亦戒蔵とも云ふ 三には論蔵 亦慧蔵とも云ふ。 但し経律論の定戒慧・戒定慧・慧定戒と云ふ事あるなり。戒蔵とは五戒・八戒・十善戒・二百五十戒・五百戒なり。定蔵とは味禅 定とも名づく ・浄禅・無漏禅なり。慧蔵とは苦・空・無常・無我の智慧なり。
 
 

平成新編御書 ―83㌻―

provided by