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『月水御書』


(★305㌻)前
 此の事をば一切御心得候ひて、月水の御時は七日までも其の気あらん程は、御経をばよませ給はずして、暗に南無妙法蓮華経と唱へさせ給ひ候え。礼拝をも経にむかはせ給はずして拝せさせ給ふべし。又不慮に臨終なんどの近づき候はんには、魚鳥なんどを服せさせ給ひても候へ、よみぬべくば経をもよみ、及び南無妙法蓮華経とも唱へさせ給ひ候べし。又月水なんどは申すに及び候はず。又南無一乗妙典と唱へさせ給ふ事、是同じ事には侍れども、天親菩薩・天台大師等の唱へさせ給ひ候ひしが如く、只南無妙法蓮華経と唱へさせ給ふべきか。是子細ありてかくの如くは申し候なり。穴賢穴賢。
  文永元年卯月十七日                  日蓮花押
 大学三郎殿御内御報
 

平成新編御書 ―305㌻―

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