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『四条金吾殿御返事』


(★776㌻)前
 天台大師の云はく「信力の故に受け念力の故に持つ」云云。又云はく「此の経は持ち難し、若し暫くも持つ者は我即ち歓喜す、諸仏も亦然なり」云云。火にたきゞを加ふる時はさかんなり。大風吹けば求羅は倍増するなり。松は万年のよはひを持つ故に枝をまげらる。法華経の行者は火とぐらとの如し。薪と風とは大難の如し。法華経の行者は久遠長寿の如来なり。修行の枝をきられまげられん事疑ひなかるべし。此より後は「此経難持」の四字を暫時もわすれず案じ給ふべし。恐々。
    三月六日             日  蓮 花押
 四条金吾殿
 

平成新編御書 ―776㌻―

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