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『閻浮提中御書』


(★1322㌻)
 №0350
     閻浮提中御書    弘安元年  五七歳
 
  「閻浮提中飢餓□□」□□「□示現閻浮提中刀□□□」と。又云はく「又示現閻浮提中□□劫起」等云云。人王三十代□□□国の聖明王□□□□□国にわたす。王此を用ひずして三代仏罰にあたるべし。釈迦仏を申し隠す□□念仏者等善光□□□□陀仏云云。上一人より下万□□いたるまで皆人迷□□□。此をあらわす日蓮にあだをなす人は、総て日蓮を犯す。天は総て此の国を□□□□□□二に云はく「経を読誦し書持すること有らん者を見て軽賤憎嫉して結恨を懐かん」等云云。又云はく「多病痩」と。第八に云はく「諸□重病」と。又第二に云はく「若し医道を修め、方に順じて病を治せば、更に他の疾を増し、或は復死を致さん」と。又云はく「若し自ら病有らば人の救療すること無く、設ひ良薬を服すとも而も復増劇せん」等云云。弘法大師後に望んで戯論と作す。東寺の一門上御室より下一切の東寺の門家は法華経を戯論と云云。叡山の座主並びに三千の大衆□日本国山寺一同に云はく、□□□□大日経等云云。智証大師の云はく、法華尚及ばず等云云。園城の長吏並びに一国の末流皆云はく、法華経は真言経に及ばずと云云。此の三師を用ふる国主終に皇法尽き了んぬ。明雲座主の義仲に殺され、承久に御室思ひ死にせし是なり。
  願くは我が弟子等師子王の子となりて群狐□□□□ゝ事なかれ。過去遠々劫より已来、日蓮がごとく身命をすてゝ強敵の科を顕□師には値ひがたかるべし。国王の責めなををそろし。いわうや閻魔のせめをや。日本国のせめは水のごとし。ぬるゝををそるゝ事なかれ。閻魔のせめは火のごとし。裸にして入るとをもへ。大涅槃経の文の心は、仏法を信じて今度生死をはな□□人の、すこし心のゆるなるをすゝめむがために、
 

平成新編御書 ―1322㌻―

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