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『就註法華経口伝』


(★1755㌻)
 菩薩蓮華に座るなり。此を妙法蓮華経と説かれたり。経に云はく「若し仏前に在らば蓮華より化生せん」と。
    第十二 譬如大風吹小樹枝の事
  御義口伝に云はく、此の偈頌の如清涼池と譬如大風と燃大炬火とは三身なり。其の中に譬如大風とは題目の五字なり。吹小樹枝とは折伏門なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉るは大風の吹くが如くなり。
    第十三 若有能持則持仏身の事
  御義口伝に云はく、法華経を持ち奉るとは我が身仏身と持つなり。則の一字は生仏不二なり。上の能持の持は凡夫なり。持つ体は妙法の五字なり。仏身を持つと云ふは一々文々皆金色の仏体の故なり。さて仏身を持つとは我が身の外に仏無しと持つを云ふなり。理即の凡夫と究竟即の仏と二無きなり。即の字は「即の故に初後不二」の故なり云云。
    第十四 此経難持の事
  御義口伝に云はく、此の法華経を持つ者は難に値はんと心得て持つなり。されば則為疾得無上仏道の成仏は、今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る是なり云云。
    第十五 我則歓喜諸仏亦然の事
  御義口伝に云はく、我とは心王なり、諸仏とは心数なり。法華経を持ち奉る時は心王・心数同時に歓喜するなり。又云はく、我とは凡夫なり、諸仏とは三世諸仏なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へて歓喜する是なり云云。
    第十六 是名持戒の事
  御義口伝に云はく、此の経文にて三学倶伝するなり。虚空不動戒・虚空不動定・虚空不動慧、
 

平成新編御書 ―1755㌻―

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