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『就註法華経口伝』


(★1756㌻)
 三学倶に伝ふるを名づけて妙法と曰ふと。戒とは色法なり、定とは心法なり、慧とは色心二法の振る舞ひなり、倶の字は南無妙法蓮華経の一念三千なり、伝とは末法万年を指すなり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉り、権経は無得道、法華経は真実と修行する、是は戒なり、防非止悪の義なり。持つ所の行者決定無有疑の仏体と定む、是は定なり。三世の諸仏の智慧を一返の題目に受持する、是は慧なり。此の三学は皮肉骨・三身・三諦・三軌・三智等なり。
    第十七 読持此経の事
  御義口伝に云はく、五種の修行の読誦と受持との二行なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉るは読なり。此の経を持つは持なり。此経とは題目の五字なり云云。
    第十八 是真仏子の事
  御義口伝に云はく、法華経の行者は真に釈迦法王の御子なり。然る間王位を継ぐべきなり。悉是吾子の子と是真仏子の子と能く能く心得合はすべきなり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る者は釈迦法王の御子なり。
    第十九 是諸天人世間之眼の事
  御義口伝に云はく、世間とは日本国なり、眼とは仏知見なり。法華経は諸天世間の眼目なり。眼とは南無妙法蓮華経なり、是諸の天人世間の眼なり。又云はく、是諸仏の眼目云云。此の眼をくじる者は禅・念仏・真言宗等なり。眼目とは目聞なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉るは諸天世間の眼目に非ずや。
    第二十 能須臾説の事
  御義口伝に云はく、能の一字之を思ふべし。説とは南無妙法蓮華経なり。今日蓮等の類能須臾説の行者なり云云。
 

平成新編御書 ―1756㌻―

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