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『就註法華経口伝』


(★1777㌻)
    常不軽品三十箇の大事
    第一 常不軽の事
  御義口伝に云はく、常の字は三世の不軽の事なり、不軽とは一切衆生の内証所具の三因仏性を指すなり。仏性とは法性なり、法性とは妙法蓮華経なり云云。
    第二 得大勢菩薩の事
  御義口伝に云はく、得とは応身なり、大とは法身なり、勢とは報身なり。又得とは仮諦なり、大とは中道なり、勢とは空諦なり。円融の三諦三身なり。
    第三 威音王の事
  御義口伝に云はく、威とは色法なり、音とは心法なり、王とは色心不二を王と名づくるなり。末法に入っては南無妙法蓮華経と唱へ奉る、是併ら威音王なり云云。其の故は、音とは一切権教の題目等なり、威とは首題の五字なり、王とは法華の行者なり云云。法華経の題目は獅子の吼ゆるが如く余経は余獣の音の如くなり。諸経中王の故に王と云ふなり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉るは威音王仏なり云云。
    第四 凡有所見の事
  御義口伝に云はく、今日本国の一切衆生は法華経の題目の機なりと知見するなり云云。
    第五 我深敬汝等不敢軽慢所以者何汝等皆行菩薩道当得作仏の事
  御義口伝に云はく、此の二十四字と妙法の五字は替はれども其の意は之同じ。二十四字は略法華経なり。
    第六 但行礼拝の事
 

平成新編御書 ―1777㌻―

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