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『就註法華経口伝』


(★1793㌻)前
 
    普賢品六箇の大事
    第一 普賢菩薩の事  文句の十に云はく「勧発とは恋法の辞なり」云云。
  御義口伝に云はく、勧発とは、勧は化他、発は自行なり。普は諸法実相の迹門不変真如の理なり、賢は智慧の事なり、本門随縁真如の智なり。然る間経の末に来たって本迹二門を恋法し玉へり。所詮今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る者は普賢菩薩の守護なり云云。
    第二 若法華経行閻浮提の事
  御義口伝に云はく、此の法華経を閻浮提に行ぜんは普賢菩薩の威神の力に依るなり。此の経の広宣流布することは普賢菩薩の守護成るべきなり云云。
    第三 八万四千天女の事
  御義口伝に云はく、八万四千の塵労門なり。是即ち煩悩即菩提・生死即涅槃なり。七宝の冠とは頭上の七穴なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る者是なり云云。
    第四 是人命終為千仏授手の事
  御義口伝に云はく、法華不信の人は命終して地獄に堕在すべし。経に云はく「若人不信、毀謗此経、即断一切、世間仏種」の文是なり。法華経の行者は命終して成仏すべし。是人命終 為千仏授手の文是なり。千仏は千如の法門なり。謗法の人には獄卒迎へに来たり、法華経の行者は千仏迎へに来たるなり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る者は千仏の迎へ疑ひ無きなり。
    第五 閻浮提内広令流布の事
 

平成新編御書 ―1793㌻―

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