八風の原典
四条金吾殿御返事に説かれる八風の原典を探してみました。
大正新脩大藏經 第二十六册 No. 1530《佛地經論》のようです。玄奘の翻訳で親光菩薩等造となってます。T26n1530_p0315b
以下は白文を私が書き下した物です(から正確ではない可能性があります)
論曰。
世間諸法略有八種。 世間の諸法、略して八種有り
一利二衰。三毀四誉。 一に利 二に衰。三に毀 四に誉。
五稱六譏。七苦八樂。 五に稱 六に譏。七に苦 八に樂なり。
得可意事名利。 意に可なる事を得るを利と名づけ
失可意事名衰。 意に可なる事を失うを衰と名づけ
不現誹撥名毀。 現に誹撥せざるを毀と名づけ
不現讚美名誉。 現に讃美せざるを誉と名づけ
現前讚美名稱。 現前に讃美するを稱と名づけ
現前誹撥名譏。 現前に誹撥するを譏と名づけ
逼惱身心名苦。 逼めて身心を惱ますを苦と名づけ
適悦身心名樂。 適さに身心を悦ばすを樂と名づく
如是八種總有二品。 是の如き八種も總じて二品に有り
四違名苦。 四違を苦と名づけ。
四順名樂。 四順を樂と名づく。
生欣慼故。 欣(喜び)慼(憂い)を生ずる故
或復此中略説。 或いは復此の中に略説するも
最後苦樂一對。 最後は苦楽は一対なり
聖者居中恒常一味。 聖者は居中、恒常(つね)に一味なり。
得利不高。遇衰不下。 利を得て高ぜず。衰に遇って下らず。
如是乃至樂而無愛 是くの如く乃至、樂に愛無く
苦而無恚。 苦に恚(うらみ・いかり)無し。
如契經言。 如契經に言く。
聖處 聖の(みる)處、
世間平等一味猶如虚空。 世間平等一味なること猶お虚空の如し。
凡愚在世計有差別。 凡愚は世に在って差別有りと計る。
由彼遠離遍計所執。 由て彼の遠離遍の計(かんがえ)に執せ所(ら)る。
世間八法於一切處皆同一味。 世間の八法は一切處に於いて皆同一味なり
即此説名平等法性。 即ち此の説を平等法性と名づく。
由此一味如前修習圓滿成故。 由て此の一味は前の如く修習し圓滿を成ずる故に
平等性智圓滿成就 平等性智圓滿を成就するなり
大正新脩大藏經 第二十六册 No. 1530《佛地經論》T26n1530_p0315b
---------------------------------------

前から思ってたことだが、
虚空の虚の字は今日本でこそ「うつろな」とか「なにもない」「むなしい」といったマイナスイメージで捉えられがちだが、仏法ではもっと崇高な概念として認識されているように思う。
いうなれば、森羅万象一切を包含する法、仏の見そなわす諸法というような・・・

コメント