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『三種教相事』


                              日蓮花押(★57㌻)
 
 №0011 三種教相事   (正嘉元年 三六歳)
 
  文句の九に云はく「随他意の語は是他身を説くなり。随自意の語は是己身を説くなり」文。方便・譬喩等の五品の意なり。寂滅道場を以て元始と為す。第一根性の融不融。華厳・阿含・方等・般若・法華各得道有り。種熟脱を論ぜず。迹門。「初後の仏慧円頓の義斉し」等の釈、「此の妙彼の妙、妙の義殊なること無し」等の釈は、爾前得道なり。籤の十 八紙 に云はく「当に知るべし、法華は部に約するときは則ち尚華厳・般若を破し、教に約するときは則ち尚別教の後心を破す」と。
  玄の一 十九 に云はく 第二教相の下 「余教は当機に物を益して、如来施化の意を説かず」文。籤の一に云はく「漸及び不定に寄すと雖も余教を以て種と為さず」文。三の巻化城喩品の意なり。大通を以て元始と為し、余教を以て種と為さず。第二化導の始終不始終。爾前の得道を許さゞるなり。種熟脱を論ず。迹門。種は大通、熟は中間今日の四味、脱は法華なり。
  寿量品の意なり、五百塵点は久遠を以て元始と為すなり。世々番々の成道なり。第三師弟の遠近不遠近。
 

平成新編御書 ―57㌻―

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