←次へ  TOPへ↑  前へ→  

『早勝問答』


(★496㌻)
 №0107
     早勝問答   文永八年  五〇歳
 
  浄土宗問答
  問ふ、六字の名号は善悪の中には何れぞや。答ふ、一義に云はく、今問ふ所の善悪は世・出の中には何れぞや。一義に云はく、云ふ所の善悪を治定せば堕獄治定なるか。一義に云はく、名号悪と治定せば堕獄治定なるか。一義に云はく、念仏無間と治定して其の上に善悪を尋ぬるか。一義に云はく、汝が依経は権実の中には何れぞや。
  問ふ、念仏無間と云はゞ法華も無間なり。答ふ、一義に云はく、法華無間とは自義なるか、経文なるか。一義に云はく、念仏無間をば治定して法華も無間と云ふか。一義に云はく、祖師の謗法を治定して法華も無間と云ふか。一義に云はく、汝が云ふ所の法華は、超過の法華か、又弥陀成仏の法華か。
  問うて云はく、念仏無間の証拠、二十八品の中には何れぞや。答ふ、一義に云はく、二十八品の中に証拠有らば堕獄治定なるか。一義に云はく、法華を誹謗するを証拠とするなり。一義に云はく、法華の文を尋ぬるは信じて問ふか、信ぜずして問ふか。一義に云はく、直ちに「入阿鼻獄」の文を出だすなり。一義に云はく、妙法蓮華経其の証拠なり。一義に云はく、弥陀の本誓に背く故なり。一義に云はく、弥陀の命を断つ故なり。一義に云はく、有縁の釈尊に背く故なり。念仏無間は三世諸仏の配立なり。
  問ふ、止観の念仏の事。答ふ、一義に云はく、法然所立の念仏は堕獄治定して止観を問ふか。一義に云はく、西方の念仏と一なるか、異なるか。一義に云はく、止観の念仏は法華を誹謗するか。一義に云はく、彼に文段を問ふべし。一義に云はく、止観に依って浄土宗を建立するか。
 

平成新編御書 ―496㌻―

provided by