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『真言見聞』


(★608㌻)後
 
 №0125
     真言見聞   文永九年七月  五一歳
 
  問ふ、真言亡国とは証文何なる経論に出づるや。答ふ、法華誹謗・正法向背の故なり。問ふ、亡国の証文之無くば、云何に信ずべきや。答ふ、謗法の段は勿論なるか。若し謗法ならば、亡国堕獄疑ひ無し。凡そ謗法とは謗仏謗僧なり。三宝一体なる故なり。是涅槃経の文なり。爰を以て法華経には「則ち一切世間の仏種を断ず」と説く。是を即ち一闡提と名づく。涅槃経の一と十と十一とを委細に見るべきなり。罪に軽重有れば獄に浅深を構へたり。殺生偸盗等、乃至一大三千世界の衆生を殺害すれども、等活・黒縄等の上七大地獄の因として、
 

平成新編御書 ―608㌻―

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