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『諸法実相抄』


(★668㌻)前
 一閻浮提第一の御本尊を信じさせ給へ。あひかまへて、あひかまへて、信心つよく候ふて三仏の守護をかうむらせ給ふべし。行学の二道をはげみ候べし。行学たへなば仏法はあるべからず。我もいたし人をも教化候へ。行学は信心よりをこるべく候。力あらば一文一句なりともかたらせ給ふべし。南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。恐々謹言。 
     五月十七日                 日 蓮 花押
  最蓮房御返事 
  追って申し候。日蓮が相承の法門等前々かき進らせ候ひき。ことに此の文には大事の事どもしるしてまいらせ候ぞ。不思議なる契約なるか、六万恒沙の上首上行等の四菩薩の変化か。さだめてゆへあらん。総じて日蓮が身に当たっての法門わたしまいらせ候ぞ。日蓮もしや六万恒沙の地涌の菩薩の眷属にもやあるらん。南無妙法蓮華経と唱へて日本国の男女をみちびかんとおもへばなり。経に云はく「一名上行、乃至唱導師」とは説かれ候はぬか。まことに宿縁のをふところ予が弟子となり給ふ。此の文あひかまへて秘し給へ。日蓮が己証の法門等かきつけて候ぞ。とヾめ畢んぬ。
 

平成新編御書 ―668㌻―

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