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『弥源太殿御返事』
(★723㌻)
上行等の四菩薩は手を取り給ふべし。日蓮さきに立ち候はゞ御迎へにまいり候事もやあらんずらん。又さきに行かせ給はゞ、日蓮必ず閻魔法王にも委しく申すべく候。此の事少しもそら事あるべからず。日蓮法華経の文の如くならば通塞の案内者なり。只一心に信心おはして霊山を期し給へ。ぜにと云ふものは用にしたがって変ずるなり。法華経も亦復是くの如し。やみには灯となり、渡りには舟となり、或は水ともなり、或は火ともなり給ふなり。若し然らば法華経は現世安隠・後生善処の御経なり。
其の上日蓮は日本国の中には安州のものなり。総じて彼の国は天照太神のすみそめ給ひし国なりといへり。かしこにして日本国をさぐり出だし給ふ。あはの国御くりやなり。しかも此の国の一切衆生の慈父悲母なり。かゝるいみじき国ならん。日蓮又彼の国に生まれたり、第一の果報なるなり。此の消息の詮にあらざれば委しくはかゝず、但おしはかり給ふべし。
能く能く諸天にいのり申すべし。信心にあかなくして所願を成就し給へ。女房にもよくよくかたらせ給へ。恐々謹言。
二月廿一日 日 蓮 花押
弥源太殿御返事
平成新編御書 ―723㌻―
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