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『立正観抄送状』


(★773㌻)後
 №0178
     立正観抄送状 文永一二年二月二八日  五四歳
 
  今度の御使ひ誠に御志の程顕はれ候ひ了んぬ。又種々の御志慥かに給び候ひ了んぬ。
  抑承り候当世の天台宗等、止観は法華経に勝れ禅宗は止観に勝る、又観心の大教興る時は本迹の大教を捨つと云ふ事。先づ天台一宗に於て流々各別なりと雖も、慧心・檀那の両流を出でず候なり。慧心流の義に云はく、止観の一部は本迹二門に亘るなり。謂はく、止観の六に云はく「観は仏知に名づけ、止は仏見に名づく。念々の中に於て止観現前す。乃至三乗の近執を除く」文。弘決の五に云はく「十法既に是法華の所乗なり。
 

平成新編御書 ―773㌻―

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