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『妙一尼御前御消息』


(★833㌻)
 目つぶれたる者の日輪を見ざるがごとし。御疑ひあるべからず。定んで御まぼりとならせ給ふらん。其の上さこそ御わたりあるらめ。
  力あらばとひまいらせんとをもうところに、衣を一つ給ふでう存外の次第なり。法華経はいみじき御経にてをはすれば、もし今生にいきある身ともなり候ひなば、尼ごぜんの生きてもをわしませ。もしは草のかげにても御らんあれ。をさなききんだち等をば、かへりみたてまつるべし。さどの国と申し、これと申し、下人一人つけられて候は、いつの世にかわすれ候べき。此の恩はかへりてつかへたてまつり候べし。南無妙法蓮華経。南無妙法蓮華経。恐々謹言。
  五月 日                  日  蓮 花押
 妙一尼御前
 

平成新編御書 ―833㌻―

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