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『曾谷殿御返事』
(★1380㌻)後
№0374
曽谷殿御返事 弘安二年八月一一日 五八歳
焼き米二俵給び畢んぬ。
米は少しと思し食し候へども人の寿命を継ぐ物にて候。命をば三千大千世界にても買はぬ物にて候と仏は説かせ給へり。米は命を継ぐ物なり。譬へば米は油の如く、命は灯の如し。法華経は灯の如く、行者は油の如し。檀那は油の如く、行者は灯の如し。
一切の百味の中には乳味と申して牛の乳第一なり。涅槃経の七に云はく「猶諸味の中に乳最も為れ第一なるが如し」云云。乳味をせんずれば酪味となる。酪味をせんずれば乃至醍醐味となる。醍醐味は五味の中の第一なり。法門を以て五味にたとへば、儒家の三千、外道の十八大経は衆味の如し。阿含経は醍醐味なり。阿含経は乳味の如く、観経等の一切の方等部の経は酪味の如し。一切の般若経は生蘇味、華厳経は熟蘇味、無量義経と法華経と涅槃経とは醍醐の如し。又涅槃経は醍醐のごとし、法華経は五味の主の如し。
平成新編御書 ―1380㌻―
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