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『就註法華経口伝』


(★1781㌻)
  御義口伝に云はく、毎の字は三世なり。念とは一切衆生の仏性を念じたまひしなり。仍って速成就仏身と皆当作仏とは同じ事なり。仍って此の一文を相伝せり。天台大師は、開三顕一○開近顕遠と釈せり。秘すべし秘すべし。
    第二十 我本行菩薩道の文礼拝住処の事
  御義口伝に云はく、我とは本因妙の時を指すなり。本行菩薩道の文は不軽菩薩なり。此を礼拝の住処と指すなり云云。
    第廿一 生老病死の礼拝住処の事
  御義口伝に云はく、一切衆生生老病死を厭離せず、無常遷滅の当体に迷ふに依って後世菩提を覚知せざるなり。此を示す時、煩悩即菩提・生死即涅槃と教ふる当体を礼拝と云ふなり。左右の両の手を開く時は煩悩・生死・上慢・不軽各別なり。礼拝する時両の手を合すれば煩悩即菩提・生死即涅槃なり。上慢の四衆の所具の仏性も、不軽所具の仏性も、一種の妙法なりと礼拝するなり云云。
  第廿二 法性を礼拝する住処の事
  御義口伝に云はく、不軽菩薩法性真如の三因仏性たる南無妙法蓮華経の二十四字に足を立て、無明上慢の四衆を拝するは、蘊在衆生の仏性を礼拝するなり云云。
  第廿三 無明を礼拝する住処の事
  御義口伝に云はく、自他の隔意を立て、彼は上慢の四衆、我は不軽と云ふ。不軽は善人、上慢は悪人と、善悪を立つるは無明なり。此に立って礼拝の行を成す時、善悪不二・邪正一如の南無妙法蓮華経と礼拝するなり云云。
  第廿四 蓮華の二字の礼拝住処の事
 

平成新編御書 ―1781㌻―

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