宗祖御詠歌に云く

今日素読した報恩抄文段(歴代法主全書6-12)に

「宗祖御詠歌に云く、アシノ葉○ワタサネ等云々」

とあった。これは一体何?
と俄然興味が湧いたので調べた。

御書のテキストデータを検索・・・ヒットなし
諸辞典のデータを検索・・・ヒットなしと雖も、「芦の葉」で唐笠という場合尭舜時代の芦の葉で作った簡便な笠を指し、唐傘とは違うという事が分かった。
未公開本の「詩歌抄」という御歴代上人の歌をまとめた冊子があったのでめくってみるとアッサリみつかった。

○は仏典だと句点だったり中略を意味するのだが、これはホントに虫害等で判読できなかったのだろう。同じ箇所を扱った御書文段の方でも「あしの葉○わたさね」(文段385頁)となっている。
変体かなは「変体仮名へんたいがな・くずし字一覧」(https://www.benricho.org/kana/all-ichiran.html)を参考にさせて貰った。
ネットで検索・・・「なにわ」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%82%8F)は要するに都人と言うことだろう。

五七五七七の文体からすると、○に入るのは1文字だろう。今仮に「よ」として「芦の葉の様子」と読んでみよう。
最後の「えこそわたさね」、は「江」かな?江とは海が陸地に入り込んだ場所という意味だから、川のようなものだけど、それですら叶わない。

開結110 方便品

釈尊は小乗(劣った教え)で人々を救おうとはしなかった。小乗は成仏の役に立たない、という事である。

芦の葉は水を弾いて小舟のようだけれども、都人を乗せて川を渡すことすら出来ない。

それと同じように、小乗で成仏しようなど、話にならない、論ずるまでもない、ということを歌われたものと拝する。

コメント

タイトルとURLをコピーしました