←次へ  TOPへ↑  前へ→  

『大学三郎殿御書』


(★886㌻)前
 比丘尼等も、愚癡の失に依って小乗経を大乗経と謂ひ、権大乗経を実大乗経なりと執する等の謬義出来す。大妄語・大殺生・大偸盜等の大逆罪の者なり。愚人は之を知らずして智者と尊む。設ひ世間の諸戒之を破る者なりとも堅く大小・権実等の経を弁へば世間の破戒は仏法の持戒なり。涅槃経に云はく「戒に於て緩なる者を名づけて緩と為さず、乗に於て緩なる者を乃ち名づけて緩と為す」等云云。法華経に云はく「是を持戒と名づく」等云云。重き故に之を留む。事々霊山を期す。恐々謹言。
  七月二日           日  蓮 花押
 大学三郎殿
 

平成新編御書 ―886㌻―

provided by