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『芋一駄御書』
(★899㌻)後
№0211
芋一駄御書 建治元年八月一四日 五四歳
いも一駄・はじかみ五十ぱをくりたびて候。
このみのぶのやまと申し候は、にしはしらねのたけ、つねにゆきをみる。ひんがしにはてんしのたけ、つねにひをみる。きたはみのぶのたけ、みなみはたかとりのたけ、四山のあひ、はこのそこのごとし。いぬゐのすみよりかはながれて、たつみのすみにむかう。かゝるいみじきところ、みねにはせびのこへ、たににはさるのさけび、木はあしのごとし、くさはあめににたり。しかれどもかゝるいもはみへ候はず、はじかみはをひず。いしににて少しまもりやわらかなり。くさににてくさよりもあぢあり。
法華経に申しあげ候ひぬれば、御心ざしはさだめて釈迦仏しろしめしぬらん。恐々謹言。
八月十四日 日 蓮 花押
御 返 事
平成新編御書 ―899㌻―
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