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『光日房御書』


(★964㌻)前
  法華経を信ずる人は、かまへてかまへて法華経のかたきををそれさせ給へ。念仏者と持斎と真言師と、一切の南無妙法蓮華経と申さざらん者をば、いかに法華経をよむとも法華経のかたきとしろしめすべし。かたきをしらねばかたきにたぼらかされ候ぞ。あはれあはれげざんに入ってくわしく申し候はゞや。又、これよりそれへわたり候三位房・佐渡公等に、たびごとにこのふみをよませてきこしめすべし。又、この御文をば明慧房にあづけさせ給ふべし。なにとなく我が智慧はたらぬ者が、或はをこづき、或は此の文をさいかくとしてそしり候なり。或はよも此の御房は弘法大師にはまさらじ、よも慈覚大師にはこへじなんど、人くらべをし候ぞ。かく申す人をばものしらぬ者とをぼすべし。
  建治二年太歳丙子三月 日          日  蓮 花押
                   甲州南部波木井郷山中
 

平成新編御書 ―964㌻―

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