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『妙法比丘尼御返事』


(★1256㌻)
 №0334
     妙法比丘尼御返事   弘安元年九月六日  五七歳
 
  御文に云はく、たふかたびら一つ、あによめにて候女房のつたうと云云。又おはりの次郎兵衛殿、六月二十二日に死なせ給ふと云云。
  付法蔵経と申す経は、仏、我が滅後に我が法を弘むべきやうを説かせ給ひて候。其の中に「我が滅後正法一千年が間、次第に使ひをつかはすべし。第一は迦葉尊者二十年、第二は阿難尊者二十年、第三は商那和修二十年、乃至第二十三は師子尊者なり」と云云。其の第三の商那和修と申す人の御事を仏の説かせ給ひて候やうは、商那和修と申すは衣の名なり、此の人生まれし時衣をきて生まれて候ひき、不思議なりし事なり。六道の中に、地獄道より人道に至るまでは何なる人も始めはあかはだかにて候に、天道こそ衣をきて生まれ侯へ。
 

平成新編御書 ―1256㌻―

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