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『秀句十勝抄』


(★1346㌻)
 法華経の力の故に後世の後五百歳に円機の四衆等。
  又云はく、経に又云はく「亦復其れに陀羅尼呪を与へん、是の陀羅尼を得るが故に」云云。当に知るべし、法華経を護らんが為に真言を持者に与へ自身常に守護することを。他宗所依の経には都て此の勧発無し。天台法華宗には具に此の勧発有り。妙法の真言は他経に説かず。是の故に法華宗は二の論宗に勝れ、亦華厳宗にも勝れたり。
  又云はく、夫仏知・仏見の内証の経は信じ難く解し難し。果分の教は独り諸経に秀でて対無く比無し。全身の舍利は亦上亦一なり。深く金口を信ぜよ。
  又云はく、天台法華宗の能説の仏は久遠実成なり。所説の経は髻中の明珠なり。能伝の師は霊山の聴衆なり。所伝の釈は諸宗の憑拠なり。委曲の依憑は具に別の巻に有り文。
    日蓮疑って云はく、伝教大師は真言宗を破せざるや。答ふ、依憑天台集序前入唐受法沙門伝灯大法師位最澄撰「天台の伝法は諸家の明鏡なり。陳隋より以降興唐より已前、人は則ち歴代称して大師と為し、法は則ち諸宗をもって証拠とす。故に梁肅の云はく、夫治世の経は孔門に非ずんば則ち三王四代の訓へ、寝んで彰はれず、出世の道は大師に非ずんば則ち三乗四教の旨、晦くして明らかならざる者なりと。我が日本の天下は円機已に熟し、円教遂に興らん。此の間の後生各自宗に執して偏に妙法を破す○新来の真言家は則ち筆受の相承を泯し、旧到の華厳家は則ち影響の軌模を隠す。沈空の三論宗は弾呵の屈恥を忘れて称心の心酔を覆ひ、著有の法相宗は僕陽の帰依を非して、青竜の判経を撥ふ。最澄南唐の後に此の一宗を稟け、東唐の訓へを彼の戒疏に閲し、円珠を海西に拾ひ、連城を海東に献ず。略菽麦の殊なりを示し、目珠の別を悟らしむ。謹んで依憑一巻を著して同我の後哲に贈る。其時興ること、日本第五十二葉・弘仁之七丙申の歳なり」と。
    大唐新羅諸宗義匠依憑天台義集一巻前入唐習業沙門最澄撰「大唐南岳の真言宗沙門一行、
 

平成新編御書 ―1346㌻―

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