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『日女御前御返事』
(★1389㌻)前
又止の一に云はく「何が円の法を聞き円の信を起こし円の行を立て円の位に住せん」と。弘の一に云はく「円信と言ふは理に依って信を起こす、信を行の本と為す」云云。外典に云はく「漢王臣の説を信ぜしかば河上の波忽ちに氷り、李広父の讐なりと思ひしかば草中の石羽を飲む」と云へり。所詮天台・妙楽の釈分明に信を以て本とせり。彼の漢王も疑はずして大臣のことばを信ぜしかば立波こほりて行くぞかし。石に矢のたつ、是又父のかたきと思ひし信の故なり。何に況んや仏法においてをや。法華経を受け持ちて南無妙法蓮華経と唱ふる、即ち五種の修行を具足するなり。此の事伝教大師入唐して、道邃和尚に値ひ奉りて、五種頓修の妙行と云ふ事を相伝し給ふなり。日蓮が弟子檀那の肝要、是より外に求むる事なかれ。神力品に云へり。委しくは又々申すべく候。穴賢穴賢。
八月廿三日 日蓮花押
日女御前御返事
平成新編御書 ―1389㌻―
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