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『聖人御難事』


(★1398㌻)
  彼のあつわらの愚癡の者どもいゐはげましてをとす事なかれ。彼等には、たゞ一えんにをもい切れ、よからんは不思議、わるからんは一定とをもへ。ひだるしとをもわば餓鬼道ををしへよ。さむしといわば八かん地獄ををしへよ。をそろしゝといわばたかにあへるきじ、ねこにあへるねずみを他人とをもう事なかれ。此はこまごまとかき候事は、かくとしどし月々日々に申して候へども、なごへの尼・せう房・のと房・三位房なんどのやうに候をくびゃう、物をぼへず、よくふかく・うたがい多き者どもは、ぬれるうるしに水をかけ、そらをきりたるやうに候ぞ。
  三位房が事は大不思議の事ども候ひしかども、とのばらのをもいには智慧ある者をそねませ給ふかと、ぐちの人をもいなんとをもいて物も申さで候ひしが、はらぐろとなりて大づちをあたりて候ぞ。なかなかさんざんとだにも申せしかば、たすかるへんもや候ひなん。あまりにふしぎさに申さざりしなり。又かく申せばをこ人どもは死もうの事を仰せ候と申すべし。鏡のために申す。又此の事は彼等の人々も内々はをぢをそれ候らむとをぼへ候ぞ。
  人のさわげばとてひゃうじなんど此の一門にせられば、此へかきつけてたび候へ。恐々謹言。
   十月一日                      日蓮花押    
  人々御中
    さぶらうざへもん殿のもとにとゞめらるべし。
 

平成新編御書 ―1398㌻―

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