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『滝泉寺申状』
(★1404㌻)
下方の政所代に勧めて、去ぬる四月御神事の最中に、法華経信心の行人四郎男を刃傷せしめ、去ぬる八月弥四郎男の頚を切らしむ。日秀等を刎頭に擬する事此の中に書き入れよ 無知無才の盗人兵部房静印を以て過料を取り、器量の仁と称して当寺の供僧に補せしめ、或は寺内の百姓等を催し、鶉を取り狸を狩り狼落としの鹿を殺して別当の坊に於て之を食らひ、或は毒物を仏前の池に入れ、若干の魚類を殺し村里に出でて之を売る。見聞の人耳目を驚かさざるは莫し。仏法破滅の基悲しみても余り有り。此くの如きの不善の悪行日々に相積むの間、日秀等愁歎の余り依って上聞を驚かさんと欲す。行智条々の自科を塞がんが為に種々の秘計を廻らし、近隣の輩を相語らひ、遮って跡形も無き不実を申し付け、日秀等を損亡せしめんと擬するの条、言語道断の次第なり。頭に付け頚に付け□戒めの御沙汰無からんや。所詮仏法の権実と云ひ沙汰の真偽と云ひ、淵底を究めて御尋ね有り、且つは誠諦の金言に任せ、且つは式条の明文に准じて禁遏を加へらるれば、守護の善神は変を銷し擁護の諸天は咲みを含まん。然らば則ち不善悪行の院主代行智を改易せられ、将又本主此の重科を脱れ難からん。何ぞ実相寺に例如せん。不誤の道理に任せて日秀・日弁等安堵の御成敗を蒙り、堂舎を修理せしめ、天長地久の御祈の忠勤を抽んでんと欲す。仍って状を勒し披陳す。言上件の如し。
弘安二年十月 日 沙門 日秀日弁等 上る
大体此の状の様有るべきか。但し熱原の沙汰の趣に其の子細出来せるか。
平成新編御書 ―1404㌻―
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