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『富城入道殿御返事』


(★1573㌻)前
 其の外はいかに申し候とも御返事あるべからず。御存知のためにあらあら申し候なり。乃至此の一門の人々にも相触れ給ふべし。
  又必ずしいぢの四郎が事は承り候ひ畢んぬ。予既に六十に及び候へば、天台大師の御恩報じ奉らんと仕り候あひだ、みぐるしげに候房をひきつくろい候ときに、さくれうにおろして候なり。錢四貫をもちて、一閻浮提第一の法華堂造りたりと、霊山浄土に御参り候はん時は申しあげさせ給ふべし。恐々謹言。
   十月廿二日                     日蓮花押    
  進上 富城入道殿御返事
 

平成新編御書 ―1573㌻―

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