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『三種教相』


(★1601㌻)
          別は麁、円は妙
   華厳の円
          相待妙、麁妙を判ず
          前三を麁と為し後一を妙と為す
   方等の円
          相対妙、麁妙を判ず
          前二を麁と為し後一を妙と為す
   般若の円 
          相待妙、麁妙を判ず
          相待妙は、麁妙を判ず
   法華の円
          絶待妙は、麁を開し妙を顕はす
          約教 横待 前三を麁と為し後一を妙と為す
   相待妙
          約部 縦待 前四味を麁と為し醍醐を妙と為す
   当分は相待妙
   跨節は絶待妙
 籖の一に云はく「又今の文の諸義は、凡そ一々の科、皆先づ四教に約して以て麁妙を判ずるときは、則ち前三を麁と為し後一を妙と為す。次に五味に約して以て麁妙を判ずるときは、則ち前四味を麁と為し醍醐を妙と為す。全く上下の文意を推求せずして、直ちに一語を指して便ち法華は華厳より劣れりと謂へるは幾許の誤りぞや、幾許の誤りぞや」文。籖の二に云はく「当分は一代に通じ、今に於て便ち相待を成ず。跨節は唯今経に在り、仏意は今に適むるに非ざるなり」文。
 玄の二に云はく「此の経は唯二妙を論ず。更に非待非絶の文無し」文。
 

平成新編御書 ―1601㌻―

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