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『釈迦一代五時継図』
(★1663㌻)
善導和尚正雑二行を立てゝ雑行を捨てゝ正行に帰するの文。第一に読誦雑行といふは上の観経等の往生浄土の経を除いて已外の大小乗顕密の諸経に於て受持し読誦するを悉く読誦雑行と名づく。乃至、第三に礼拝雑行といふは、上の弥陀を礼拝するを除いて已外の一切諸余の仏菩薩等及び諸の世天等に於て礼拝し恭敬するを悉く礼拝雑行と名づく。第四に称名雑行といふは、上の弥陀の名号を称するを除いて已外の自余一切の仏菩薩等及び諸の世天等の名号を称するを悉く称名雑行と名づく。第五に讃歎供養雑行といふは、上の弥陀仏を除いて已外の一切諸余の仏菩薩及び諸の世天等に於て讃歎し供養するを悉く讃歎供養雑行と名づく。乃至、此の文を見るに弥須く雑を捨てゝ専を修すべし。豈百即百生の専修の正行を捨てゝ堅く千中無一の雑修雑行を執せんや」と。又云はく「貞元入蔵録の中に始め大般若経六百巻より終はり法常住経に至るまで、顕密の大乗経総て六百三十七部、二千八百八十三巻なり。皆須く読誦大乗の句に摂すべし。夫速やかに生死を離れんと欲せば、二種の勝法の中且く聖道門を閣いて選んで浄土門に入れ。浄土門に入らんと欲せば、正雑二行の中に且く諸の雑行を抛って選んで正行に帰すべし」云云。大論に云はく「自法愛染の故に他人の法を毀呰せば、持戒の行人と雖も地獄の苦を脱れず」云云。法華経に云く「当来世の悪人は仏の一乗を説きたまふを聞いて迷惑して信受せず。法を破して悪道に堕せん」と。又云はく「法を破して信ぜざるが故に三悪道に墜ちなん」と。双観経に云はく「設ひ我仏を得んも、十方の衆生至心に信楽して我が国に生ぜんと欲して、乃至十念せんに若し生ぜずんば正覚を取らじ。唯し五逆と誹謗正法を除く」と。譬喩品に云はく「若し人あって信ぜずして此の経を毀謗する則んば一切世間の仏種を断ぜん。其の人命終して阿鼻獄に入り、一劫を具足して劫尽きなば更生ぜん。是くの如く展転して無数劫に至らん」と。文句に云はく「今経に小善成仏を明かす。此縁因を取って仏種と為す。若し小善成仏を信ぜずんば則ち一切世間の仏種を断ずるなり」云云。
平成新編御書 ―1663㌻―
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