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『釈迦一代五時継図』
(★1669㌻)
人之を見ずして三乗有りと謂ふは謬れり」云云。
一 三種教相の事
玄義に「教相を三と為す。一に根性の融不融の相、二に化道の始終不始終の相、三に師弟の遠近不遠近の相」云云。釈籖の一に云はく「前の両意は迹門に約し、後の一意は本門に約す」云云。寂滅道場を以て元始と為す。方便以下の五品の意なり。
第一の根性融法華不融爾前相
華厳・阿含・方等・般若・法華各得道有り、種熟脱を論ぜず。
釈籖の一に云はく「又今文の諸義は凡そ一々の科、皆先づ四教に約して以て麁妙を判ずるときは、則ち前三を麁と為し後一を妙と為す。次に五味に約して以て麁妙を判ずるときは、則ち前四味を麁と為し醍醐を妙と為す。全く上下の文意を推求せずして直ちに一語を指して法華は華厳より劣れりと謂へるは幾許の誤りぞや誤りぞや」云云。
華厳は一麁一妙 相待妙 麁妙を判ず
阿含は単麁 無妙
方等は三麁一妙 相待妙 麁妙を判ず
般若は二麁一妙 相待妙 麁妙を判ず
相待妙 麁妙を判ず
法華は二妙有り
絶待妙 麁を開して妙を顕はす
釈籖の十に云はく「唯法華に至って前教の意を説いて、今教の意を顕はす」と。
平成新編御書 ―1669㌻―
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