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『法華本門宗血脈相承事』


(★1677㌻)
 迹門は始覚なれば無常なり。三には名体倶実、本門は本覚なれば常住なり。四には名体不思議、是観心直達の南無妙法蓮華経なり。湛然の云はく「雖脱在現具騰本種」云云。次に体の四重とは、一に三諦隔歴の体、爾前権教なり。二には理性円融の体、迹門十四品なり。三に三千本有の体、本門十四品なり。四に自性不思議の体、我が内証の寿量品事行の一念三千なり。次に宗の四重とは、一に因果異性の宗、方便権教なり。二に因果同性の宗、是迹門なり。三に因果並常の宗、即ち本門なり。四に因果一念の宗、文に云はく「介爾も心有れば即ち三千を具す」と。是即ち末法純円、結要付嘱の妙法なり云云。次に用の四重とは、一に神通幻化の用、今経已前に明かす所の仏菩薩出仮利生の事なり。二に普現色身の用、則ち一身の中に於て十界を具する事なり。本迹一代五時に亘る。三に無作常住の用、証道八相有り、無作自在の事なり。四に一心の化用、或説己身等なり。次に教の四重とは、一に但顕隔理の教、権小なり。二には教即実理の教、迹門なり。三には自性会中の教、応仏の本門なり。四には一心法界の教、寿量品の文底の法門・自受用報身如来の真実の本門、久遠一念の南無妙法蓮華経なり。雖脱在現具騰本種の勝劣是なり。
  第四に八重浅深の一面、名の八重とは、一に名体永別の名、二に名体不離の名、三に従体流出の名、四には名体具足の名、五に本分常住の名、六に果海妙性の名、七に無相不思議の名、八に自性己々の名、乃至教は知りぬべし云云。文に任せて思惟すべきなり。
  第五には還住当文の一面、四八の浅深を以て本迹勝劣を知るべし。
  第六に但入己心の一面、始め大法東漸より第十の判教に至るまで、文の生起を閣きて一向に心理の勝劣に入れて正意を成すべし。謂はく、大法とは則ち行者の己心の異名なりと云云。釈の意は文義の広博を離れ、首題の理を専らにせよと釈し給ふなり。
 

平成新編御書 ―1677㌻―

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