←次へ  TOPへ↑  前へ→  

『法華本門宗血脈相承事』


(★1691㌻)
 迹門の灌頂は方便読誦、欲令衆生開仏知見なり。本門の灌頂は寿量品読誦、然我実成仏已来なり。
                       事戒    理戒
 三十九、脱益の説所と戒壇の本迹 霊山は本、天台山は迹。久遠と末法とは事行の戒事戒理戒。今日と像法とは理の戒体なり。
 四十、脱益の三世三仏の利益の本迹 世々番々の教主は本、所化の衆生は迹なり。世々已来常に我が化を受け、番々に出世して師と倶に生ず。
 四十一、脱益の証明多宝仏塔の本迹 妙法蓮華経皆是真実は本、多宝仏は迹なり。迹門八品乃至本門は之を指すなり云云。
 四十二、脱益の序・正・流通現文の本迹 経文釈義の如く、理の上の正宗流通序分なれども本は勝れ迹は劣るなり。然るに迹は本無今有なれば、久遠の迹を脱として今日の本を説くなり云云。
 四十三、脱益の摂受・折伏の本迹 天台は摂受を本とし折伏を迹とす。其の故は像法は在世の熟益冥利の故なり。福智具足の故にと云へり。
 四十四、脱益の二妙の本迹 相待妙は迹、絶待妙は本なり。「妙法の外に更に一句の余経も無し」云云。「独一法界の故に絶待と名づく」の釈之を思ふべし。
 四十五、脱益の十妙の本迹 本果妙は本、九妙は迹なり。在世と天台となり。機の上の理なり。
 

平成新編御書 ―1691㌻―

provided by