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『就註法華経口伝』


(★1765㌻)前
    就註法華経御義口伝巻上             日蓮在御判    
   弘安元年(戊寅)正月一日              執筆日興         就註法華経口伝(御義口伝)下
 
                 日蓮所立寿量品より開結二経に至る        寿量品二十七箇の大事
    第一 南無妙法蓮華経如来寿量品第十六の事  文句の九に云はく、如来とは十方三世の諸仏・二仏・三仏・本仏・迹仏の通号なり。別して本地三仏の別号なり。寿量とは詮量なり。十方三世諸仏の功徳を詮量する故に如来寿量品と言ふと。
  御義口伝に云はく、此の品の題目は日蓮が身に当たる大事なり。神力品の付嘱是なり。如来とは釈尊、総じては十方三世の諸仏なり、別しては本地無作の三身なり。今日蓮等の類の意は、総じては如来とは一切衆生なり、別しては日蓮が弟子檀那なり。されば無作の三身とは末法の法華経の行者なり。無作三身の宝号を南無妙法蓮華経と云ふなり。寿量品の事の三大事とは是なり。六即の配立の時は此の品の如来は理即の凡夫なり。頭に南無妙法蓮華経を頂戴し奉る時名字即なり。其の故は始めて聞く所の題目なるが故なり。聞き奉りて修行するは観行即なり。此の観行即とは事の一念三千の本尊を観ずるなり。さて惑障を伏するを相似即と云ふなり。化他に出づるを分真即と云ふなり。無作の三身の仏なりと究竟したるを究竟即の仏とは云ふなり。
 

平成新編御書 ―1765㌻―

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