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『就註法華経口伝』


(★1792㌻)
 持国は依報の名なり。法は十界なり。増長天は蓮の一字を十三句に並べたり。経文に「亦皆随喜したもう」と云へり。随喜の言は仏界に約せり。広目天は華の一字を四十三句に並べたり。経文に「諸の衆生に於て饒益する所多からん」云云。毘沙門天は経の一字を六句に並べたり。経文に「是の経を持たん者を」等の文是なり云云。
 
    厳王品三箇の大事
    第一 妙荘厳王の事  文句の十に云はく「妙荘厳とは妙法の功徳をもって諸根を荘厳するなり」云云。
  御義口伝に云はく、妙とは妙法の功徳なり、諸根とは六根なり。此の妙法の功徳を以て六根を荘厳すべき名なり。所詮妙は空諦なり、荘厳は仮諦なり、王は中道なり。今日蓮等の類南無妙蓮華経と唱へ奉る者は悉く妙荘厳王なり云云。
    第二 浮木孔の事
  御義口伝に云はく、孔とは小孔大孔の二つ之有り。小孔とは四十余年の経教なり、大孔とは法華経の題目なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉るは大孔なり。一切衆生は一眼の亀なり。栴檀の浮木とは法華経なり。生死の大海に妙法蓮華経の大孔ある浮木は法華経に之在り云云。
    第三 当品邪見即正の事
  御義口伝に云はく、厳王の邪見、三人の教化に依って功徳を得、邪をあらためて即正とせり。止の一に「辺邪皆中正」と云ふは是なり。今日本国の一切衆生は邪見にして厳王なり。日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る者は三人の如し。終に畢竟住一乗して邪見即正なるべし云云。
 

平成新編御書 ―1792㌻―

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